きぃちゃん写真フォルダ【1】~制服・夏~

「さて、じゃあ着替えてもらおうかな」
「……あの、私なんにも説明されずに連れてこられたんですけど」
「あれ、そうだっけ。まぁいいでしょ。まずこれね」
「よくないですけど……あれ、これ制服?」
「そ」
「でも着てたやつじゃないですね」
「そういやきぃちゃんとこセーラーじゃなかったわね」
「そうですね。だからちょっと憧れがあったりもしたんですけど」
「じゃあちょうどよかったじゃない。さぁ着替えて着替えて」
「……なんかうまく乗せられてる気がする」
「いいじゃんいいじゃん」
「なんか……こそばゆいというか、コスプレしてる気分になりますね」
「何言ってんの、ついこの間まで制服着てたじゃない」
「そ、そうなんですけど……」
「そう言う割によく写ってるわよ。あ、引きも撮っとこう」
「やっぱ似合うわね」
「あ、ありがとうございます……」
「何着か持ってきたし、タイも色々あるから、着替えながら行こっか」
「は、はぁ……」
「で、どこまで行くんですかこれ」
「学校」
「……はい?」
「学校来ちゃいましたけど……」
「そうね」
「捕まりません?」
「大丈夫よ。ここ廃校だから」
「な、なんだ……よかった」
「じゃあ入ろっか」
「ちょ、ちょ、なんで入れるんですか!?」
「なんでって、あたしのだから」
「あたしのって……」
「廃校なんてそんな高いもんじゃないわよ」
「……そういえばこういう人だった」
「通っていた学校でも、屋上は入ったことないですね」
「今は立ち入り禁止のところも多いみたいだしね」
「……で、そろそろ今日の趣旨を説明してもらってもいいですか」
「趣旨と言っても、そのままよ。制服姿のきぃちゃんを撮影して、”きぃちゃんすこすこセット”作るってだけ」
「”きぃちゃんすこすこセット”!?」
「ま、あとは……。こうして学生の姿で学校に来て、屋上でおしゃべりするなんて、青春っぽいじゃない?」
「お姉さま……」
「お互い同意の上で、趣味として楽しい時間ではあったけど、それはそれとして、やっぱり普通の青春っぽいのも味わっておかなきゃ損じゃない、みたいな」
「……」
「あくまで疑似だから、取り戻せるとは思ってないけど。だから趣旨が撮影っていうのは本当。可愛い子着せ替えるのも楽しいしね」
「……」
「……」
「青春って言うのなら」
「うん?」
「学生同士、お姉さまも制服姿じゃなきゃ、ですよね?」
「……いやいや!? 無理でしょさすがにそれは……!」
「いけますって! ほら、まだ着てない制服ありますよ!」
「だから無理だって! サイズもきついし、年齢的にも……!」
「お姉さまなら大丈夫!」
「強引! そんなに”おばさんきつきつセット”が見たいわけ!?」
「”おばさんきつきつセット”!?」

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「おっと、そろそろ暗くなってきたわね」
「そうですね」
「じゃあ帰りますか」
「あ、あの、お姉さま……」
「なに?」
「青春……って話なんですけど」
「うん」
「夜の校舎を探検、というのも、青春ですか……?」
「……きぃちゃん」
「……はい」
「まずは音楽室ね」
「はいっ」

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